漫画家を目指す、または漫画に携わる方々にこのページを贈ります。
去る2003年末、ある一般人にプロの漫画家さんからメールが送られました。
某女性漫画家、仮にI先生と呼びますが、
この一連のメールが実に考えさせられる内容で、
そこには漫画家、ひいては一人の人間が生きていく上で本当に必要なものはなにか?
というヒントが溢れており、皆様と考察を深めていけたらと思う次第。
漫画に関しての技術的な解説などはありませんが、
この不安定な時代に、漫画家という第三次産業で頑張っていくための心構えやノウハウ、
そういったものが満ち溢れた、類まれなる玉稿、ぜひ多くの人の目に触れさせて、
漫画の道を目指す人、またそうでない人にも、創作の指針、ひいては生きる指針として
参考にしていただけたら幸いです。
※のちにI先生いわく「頼んでもないのに」。
それを言うなら別に誰もここに取材に来てくださいと頼んでもいない、
とかいった第三者的見地などアウトオブ眼中(死語?)の姿勢、
この徹底した一方向的主観、
終始これを貫くことこそが実は生きていく上で最も重要なパンセなのであります。
昔あった歌で「様々な角度から物事を見ていたら自分を見失ってた」
なんてのもありましたね。
こと創作活動において、余人にわかりやすいストーリーを作るというのは
まさに、純然たる単一主観こそが根幹たるべきものなのですね。
↓
@ B=検索して見つかったので書き込み。 ※この時見つかったのは本当に大まかなヤフー地図のみで、
公園なのか?有料なのか?開園時間みたいなものは?看板はあるのか等
一切が依然不明。
ちなみにあとで調べましたら
ヤフー地図の中心点ポイントは件の地点から500〜600m程西南西を指していて
付近にはそこかしこにまぎらわしい石庭園が点在していました。
この段階では、はっきりとした場所すら不明だったのです。
・・・とはいえここで不安に思うのが一般人ですね。
ここはダメならダメでなりゆき任せ人任せという豪胆さがクリエイターには必要。
そもそも取材をする上でも、ことごとく人任せにしておけば、
なにかあったとき、すぐに責任転嫁できますからね(重要)。
ルポ漫画であれば尚更、それをネタにも出来ますね(最重要)。
↓
@ I先生=掲示板にてお礼の辞。しばらくして、友人達と現地来訪との由。 ※もとよりダメならダメでという気構えだったので別に礼をするには及ばないかも知れませんが
ここは大人の余裕ということで。まあ人に何かしてもらったらお礼を言うのは常識ですしね。
それと現地に行くまでに、例え不測の事態が起こる可能性があろうとなかろうと、
ドキュメント・ルポに際して前もっておおまかなストーリーを用意しておくのはプロらしい合理的さです。
余計な人間に仕事の内容など説明しないというのも合理的。
ちなみにこのときBはてっきり京都の友人と観光するだけのものかと想定しており
のちにまさか思わぬ誤解を受けるハメになるとは夢にも思いませんでした。能天気ですねw。
↓
@ B=いかんせん情報に不十分さを感じたので、後日現地調査。書き込み。 ※B曰く「はじめに不完全な情報を提供した以上、不足分を補完してまともな情報にするのは当然」とのことですが
小さな親切大きなお世話とはよくいったもので・・・
因みにI先生は友人づてにBが単独で下見に行く事を知っておられたようです。
それ以上の情報が一切不要というならば、この時点でその旨ハッキリ言っておくべきでは?
という意見もあるかもしれませんが、なに、元々「頼んでもない」という傲慢な姿勢が肝要。
ムダに下手に出てはいけません。
「断りもしていない」だとかそんなに色々気を配ってたら人間小さくなってしまいますよねw。
あるいはあえて先生は、わざと不完全な情報をもってその提供者へ突っ込むネタも考えていたのかもしれませんが。
尚ネタバレについての注意は確かに友人づてにBに伝わったようです。
故に、Bは園内の詳細について、どんな形の石が何個あるといった「ネタバレ」は控えたつもりでした、が。
↓
@ I先生=友人達と現地来訪も、取材だったのにネタバレされたと逆ギレ。 ※さあ、ここからがI先生の本領発揮です。
ちなみにBは病床ゆえ同行は叶わず。
ネタを振ってくる相手の落ち度をネタに、特に男を貶めて笑いを取る芸風の先生にとって、
その相手が見当たらない事も実は憤懣の原因であったのかもしれません。
なによりクリエイターという選民的立場にあるI先生にとって、
一般人風情が気安いニュアンスで書いてくるというのも
かねがね気に障っていたのでしょうか?
そのへんはさだかではありませんが、
そういうクリエイターとしてのプライドとこだわりを固持していくのは確かに大事な事ですね。
↓
@ B=取材とは一切聞いてないながらも、相手の立場を慮って、掲示板にて謝罪。 ※良識という点ではうなずけるかも知れませんが、
いつでも寝首をかかれかねない当世、迂闊に謝るのは甘いといえるかもしれません。
因みに同行した誰もが先生の怒りに疑問を禁じえない様子で
かなりBのことを弁護してくれたようです。
一般的な見地では確かにそういうものかもしれませんが、
クリエイターたるもの、世間に阿って自分をごまかしてはいけません。
人になにを言われようが、自分を信じきる、これはとても大事な事ですね。
↓
@ I先生=Bに突然断罪メール。 ※「ある程度覚悟していたとはいえ、この内容には驚きを禁じえませんでした。
面識はおろか、個人的にメールを交わしたこともない、友人のまた友人に、
ましてプロのクリエイターの人が一般人にいきなりこんなひとりよがりなメールを出せるのかと。
本当に30年生きた大人かと?
私の提供した情報は一般的にみてそれほどの過不足のあったことでしょうか?
体験して云々などとは事前に言っておくべき異例のケースではないかと。
なにより自分の独断だけで相手の話も聞かないまま自分だけ言いたい事を言って
スッキリしたといって「お返事は結構」というのは筋が違うような気がするのですが。」
・・・などと世迷言をほざくBですが、
所詮一般人の尺度でクリエイターの深謀遠慮が測れるはずも無く、
そも一般人風情がマスコミの仕事をいかなる形であれ邪魔をした。
ここは情け容赦なく徹底的に被害者としてのアドバンテージを行使していく一手でしょう。
創作活動においておのずと表れるストレスもここぞとばかりに解消できれば渡りに船。
言い足りなくて後悔する事を考えればむしろ言い過ぎくらいが丁度いいと。
これは他の事でも当てはまりますが、その度合いの多寡に関わらず、相手のミスに対しては徹底的につけこむが吉と。
怒れる時に過剰なまでに怒って相手に何も言わせないで、即終結させれば、周囲には「さばけた性格」と高評価まで。
怒った相手に対してはその後も半永久的に優位性まで持つことができるのです。マジでお勧め、というやつですね。
そして誤解を恐れずに言うと、自分への障壁などに対して悪のイメージを作り上げ、それを徹底して憎む、
生きていく上でのあまねく障害にかならず悪意に満ちた陰謀が存在する、といわれかねない程大胆な着想、
そのバイタリティと発想には確かに驚きもしましたが少なからず目からうろこでした。
成る程、それほどまでの気構えと発想力こそが、クリエイティブな業界をしたたかに生き抜いていく原動力なのだなあと。
渡る世間は鬼ばかりとは橋田壽賀子先生も言っておられますし。
「Bは悪意をもってクリエイターたる私Iの仕事を妨げた!」
えてしてこういうことは言ったもん勝ちだったりするのですね。
だのにBは丁寧にもレスを返す。
「ただ感情論だけをぶつけあうのは望むところではないので、できるだけ論理的さを心がけて・・」B談
なるほど論理は確かに理性的な社会を築く上で大事なものかもしれませんが、
様々な相手、シチュエーションに対して決して万能というものではないのですね。
↓
@ B=決めつけは遺憾と事情を説明。そして質問。 ※B曰く、いささか不条理さを感じつつも、友人の友人に対しての配慮に気を配りつつ、
とにかく悪意は無いので正しく認識した上で断罪して下さい、との由、あくまで都合のいい弁解ではないということのようですが、
ここで配慮など入れている愚直さが既に負けであり、甘すぎるといわざるをえない。
とまれあの書き込みだけを材料にここまで人を悪と決め付けられるものかなという疑問について
一応説明しておきますと、これに先駆けてこういうことがあったのですね。
↓
@ I先生=やや言い分を認めつつも尊大さは失わないメール。 ※「唖然」とはどっちが言ってもおかしくない気はしますが、それよりもここで重要な発言が。
「王国じゃないということなど、他のHP読んでればわかりましたよ。」
危ない危ない。これではI先生が今まで言ってきた事が単なる言いがかりにとらえられかねません。
結局Bの書き込みなんて殆どネタバレでもなんでもない周知のこと、ということですからね。
詳しい道順?それをネタバレと断罪して怒るというのはやや強引かもしれません。
普通の取材においても普通に必要な情報ではありますしね。
幸いおめでたいBはその部分の重要性を見落としたのか(というよりツッコミどころがありすぎたw?)
スルーして事なきを得ましたが・・・。
そもそもプロとして、それが重要な仕事にまつわる事ならば、人づてになどせず
自分の責任で、あらかじめしっかりと知らせておくべきでは、
あまつさえ、それを人のせいにするなど、プロの姿勢としていかがなものか、
という見方も出来るこの状況において、迂闊に自分の非を認めることはみすみす自殺行為のようなもの。
こんな論争で負けていては大事な作画作業において精神的妨げも甚だしい。
プロの漫画家たるもの、人を押しのけてでも「スッキリ」した上で
滞りなく作業に取り掛かりたいものですね。
それにしても
「急にヒット数増えたのわたしのせいにされても。」
アクセス解析までしっかりされていながらこのスットボケぶりは流石です。
どっかのハヤシさんもかくや、おっとこれは失礼。ハヤシさんにw
↓
@ B=改めて謝罪しつつなぜこれほどまでにと不思議さを禁じえずレス。 ※Bも相当粘着ですがw
先生のメールも、終わりにしたいハズが、ついうっかり傲慢さを隠せない煽るような内容で、
しかも先のメールのお仲間云々に引き続きまた友人達まで揶揄するニュアンスまで匂わせたのは
客観的に見てもやっぱりちょっと突っ込み所が多すぎた?
だからともいえますが、しかしこのレスは長いですねw。
動揺もあったのでしょうがこの時点でまだ丁寧な言い回しで礼を尽くそうというのでしょうか。滑稽ですね。
てか先生のもすでに長いんですがね。
ぶっちゃけ言わせてもらえば、Bもこんな回りくどい書き方をするより
いっそこう書けば・・・
-------------------------------------------------------------
百歩譲るまでも無く、悪意など毛頭ありません。
その不遜な言い方は何なのですか?
言いがかりも大概にしてください。
こういってはなんですが、そもそもそちらがそこの場所の情報を募ったのでしょう?
大体にしてプロなら自分のしたことは誰のせいにもせず自分で責任をとるべきでは?
事前の情報収集からして、あなた本当にプロですか?疑問と驚きが禁じえません。
あまつさえその情報提供者に逆ギレして悪者に仕立て上げた挙句、
責任転嫁して反論を許さず、とは・・・・一体何様のつもりですか?
I先生なら何を言っても許されるのか?
確かにこちらにもミスはあったかもしれませんが、それはあなたの伝達ミスから。
そこをお間違えなきよう。
人の喧嘩を野次馬根性丸出しでいそいそ覗きに来て、人の人間性まで知ったような気になって
ヘタすりゃご自分の漫画キャラとして使おうと、無理から人を貶めた算段だったのかもしれませんが
アテが外れて残念でしたね。
では
--------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
ハァ?
自分の仕事が上手くいかなかったのを人のせいにしないでください。
悪意?あるわけないですよ。
人の喧嘩を下衆な興味本位で覗き見してたあんたにいわれたかあないですな。
友人の友人だから遠慮してたが、図に乗らないで下さい。
では
------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
悪意?ハァ?
なめんな。
以上
------------------------------------------------------------------
↓
@ I先生=レスを無視。一方的に罵倒そして終結宣言。 ※傍目には、あれ?と少々拍子抜けの感もありますが、
ムダに相手に付き合わずに、必要最小限の言葉で被害者であることを強調して即時撤収。流石の手際ですね。
まあ合理性を考えれば基地外にいつまでも関わってはいられませんね。
とまれ独断と偏見に満ちた「迷惑」で「気持ち悪い」メールをはじめに送って来たのはどちらなんでしょう?
という疑問を差し挟むより
ここは、「唖然」「意味不明」「うっとおしい」「人種」「迷惑」「気持ち悪い」等
思いつく限りの雑言をぶつけるだけぶつけてばっくれる、電撃作戦の勝利を評価するべきでしょう。
Bは勝ち負けなど意識していなかった模様ですが、人生すなわちこれ勝負。
「理論で勝った〜」というくだりを見るに、I先生は相当勝ち負けにこだわる人であったのでしょう。
そう、人生なんて勝つか負けるかしかないのです。流石です。
あとは友人を通じて弁護士沙汰を匂わせれば大概の人間は黙ろうというもの。無論話し合いなど一切無視の方向で。
ただ、いいネタ元になったかもしれないBのことについては
結局漫画に出来なかったのはやや残念ではあるでしょうが・・・いやないかw
とまれ吐き出すものを吐き出して「スッキリ」したコンディションで原稿はつつがなく完成、無事掲載されめでたしめでたし。
一本の作品を仕上げる上で、人の人間性や人間関係をも生贄にする・・・
一般の人にとっては少々疑問の残る部分はあるかもしれませんが
こういった御時世に、ただでさえ生き馬の目を抜く業界にあって独立採算でやっていくには
これぐらいの覚悟は必要と言っても過言ではないでしょう。
終始一貫した信念を貫く事は、ひいては一つの物語を紡ぐ上でも、その整合性において重要ですし、
なによりこういうバイタリティさえあれば、例えば、それらに殆ど興味や知識が無くとも、
例えば、パチンコが全く出てこないパチンコ漫画や
麻雀しているところが全く無い麻雀漫画を各専門誌に堂々と連載していくことも可能でしょう。
ただ編集さんの苦労は色んな意味で偲ばれますが、漫画家という立場ならなんでも許されようというもの。
ことこういう風に交渉事に長けていれば、多くの漫画家さんが難渋するという編集との打ち合わせも憂う事はないでしょう。
みなさんも様々な場面において参考になさってください。